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活動交流事業「青少年団体を訪ねて」
  平成20年度、ゆめっと京都は、府内で活躍する青少年団体・グループを訪問し、活動内容や夢や悩みを取材し、その結果を基にして、各地域での活動報告会を開催することにより、青少年団体・グループを支援しようと考えています。
  青少年団体・グループの訪問取材の第7弾はNPO法人 プロジェクト保津川を取材しました。
  第7回 NPO法人 プロジェクト保津川
    訪問者  仲副代表、植月広報委員長、吉川委員
    対応者  原田貞夫(副代表)

(Q) 団体の設立から現在までの歩みについて説明していただけますか。
(A)  プロジェクト保津川は、流域の住民、企業、各種団体、行政とのパートナーシップのもと、保津川の環境保全を通じて、循環型地域社会、そしてまちづくりに貢献することを目指して、2007年7月に設立されました。
桂川流域ネットワークの会合で、船頭さんたちがゴミの現状を訴えられたことがきっかけです。2006年保津川開削400周年記念事業を継承する形で、わたしたち「プロジェクト保津川」と、保津川の世界遺産登録をめざす会との2つの団体が生まれました。
当団体は、2008年3月にNPO法人として認証されました。現在、会員が約140人で、30歳代までが20〜30人程度、理事のうち9人が30歳代です。
2007年10月20日に、最初のクリーン活動をふるさと清掃運動会として実施しました。
これまで、クリーン作戦、保津川ゴミマップの作成、シンポジウム、環境教室、保津川体感などの事業を開催しています。
(Q) 現在の活動状況はいかがですか。
(A)  メインの活動は、毎月第2日曜日のクリーン活動です。毎回40〜50人が参加し、8時から9時まで、保津川でゴミ拾いをしています。終わった後には、黒豆を振る舞ったり、みそ汁を出したりして、楽しんで参加してもらおうと考えています。ごみを拾っていると、例えば、ペットボトルの銘柄で販売シェアがわかります。
ゴミは、河原に捨てられているものや、岸辺に漂着しているものがあります。5月の連休のときなどは、大量のゴミが捨てられています。岩場などにあるゴミは、船に乗って取ります。一般の参加者には、安全な場所で作業してもらいます。
また、インターネットで、ゴミマップを作っています。今後は、携帯電話で撮って、メールで送ると、GPSを使って、ゴミの地点をグーグルの地図上に表示するようなシステムを作ろうと進めています。これは、日本で初めての試みです。ゴミマップでは、山形の最上川で不法投棄の状況を、紙の地図で作られ、富士山のゴミの状態がネットでわかるようになっています。
どこに、どんなゴミが多いかがわかると、対策を取ることができます。ゴミの処分について、亀岡市や京都府と相談していますが、データがないと説得力がありません。漂着物は法律上はゴミではないので、行政機関には処分する義務がありません。私たちが拾って、ゴミ袋に入れたときに、ゴミとなります。漂着物がゴミと定義されていないのは、先進国では日本だけです。同様の問題となったいた海洋ゴミは、超党派で立法化されました。
嵐山までゴミ拾いを行って、今は亀岡市の清掃車に収集に来てもらっています。京都市にお願いしていますが、まだ協力を得られていません。
(Q) マスコミや地元企業からの支援はあるのですか。
(A)  私は、当団体では、広報を担当しています。月1回は新聞に載るように、メディア戦略を実施しています。
企業から協賛してもらうには、最初は宣伝協力していただくとか、ボランティアを出してもらうなどの協力をしてもらうことから始めています。
(Q) 今後のビジョンはどのようなものですか。
(A)  保津川は、年間の観光客を考えると、日本を代表する川だと思います。京都市内の人にも、保津川に注目してほしいですね。
みんなが関心を持つことで、ゴミを減らせることができます。時間はかかると思いますが、このままほっといたらダメです。誰がゴミを見に来てくれるでしょう。
先日、タイに旅行しましたが、リゾート地が次々と開発されていました。きれいな土地が順々に汚されているように思います。逆に、兵庫県の城崎では、ゴミが全然落ちていなくてきれいでした。保津川も、城崎のようにきれいな環境にしたいと思っています。
国交省は、桂川の環境報告の中で、渡月橋ではゴミがゼロで、下流にはゴミがあると報告していますが、渡月橋の周囲の人たちが掃除をしているからで、ゴミがまったくないわけがありません。先ほど話した最上川では取組が進んでいます。2万人の市民がゴミ掃除を行っています。

私たちは、川という魅力、商品を仲介する商社になりたいと思います。
クリーン活動の後で、お楽しみの企画を持っているのも、川を楽しんでほしいからです。
川の魚を食べていただきたい。川の魚が敬遠されるのは、川が汚れているからだと思います。
(Q) 悩みはありますか。
(A)  環境に思い入れのない人にどう参加してもらうかが課題です。
亀岡という地域は、旧来の組織があり、新規住民が参加できる組織がありません。プロジェクト保津川が、そういった人たちの受け皿になれたらと思います。パンフレット、会報誌も、おしゃれなものにして、手にとってもらえるようにと考えて作っています。
(Q) 最近の話題として、筏流しをされるそうですね。
(A)  9月10日に、京都府南丹広域振興局、亀岡市などの行政機関や団体が結成した実行委員会主催で、保津川筏下り復活プロジェクトを開催します。60年前に廃止された筏下りを当時の筏士さんの指導のもと、保津川下りの船頭さんと小学生、高校生が一緒になって、筏を作り、保津川を下ります。今年は、6連の筏ですが、将来は12連にして、嵐山まで下ろうと考えています。船頭さんには、和歌山県の筏下りの現場に研修に行っていただこうと計画しています。
(仲副代表は、当日スタッフとして、10日のイベントに参加しました。)

また、10月5日(日)に、「ふるさと清掃運動会in保津川」を実施します。このふるさと清掃運動会は、王貞治氏が実行委員長となって全国で行われる清掃キャンペーンで、昨年より始まりました。保津川では、関係各団体の全面的な協力のもと、いつもの定例清掃会よりも清掃範囲を広げ、また、運動会の名にふさわしい趣向をこらしたイベントを予定しています。
        【ふるさと清掃運動会in保津川】
        http://hozugawa.org/program/clean.html


(今回の訪問を終えて)

参加者が楽しみながら、保津川の環境保全に参画できるようなイベントを企画されています。10月5日のふるさと清掃運動会には、ぜひ多くの方に参加していただきたいと思います。
そして、多くの人たちが環境について考えるきっかけとなり、一人一人が川を汚さないようにしてほしいものです。
各地域では、様々な社会問題や地域の課題に対して取り組んでいる団体、グループがあります。
プロジェクト保津川も、その一つです。プロジェクト保津川にも、多くの青年が役員や会員として参加しておられました
ゆめっと京都としては、地域の課題や様々な社会問題について意見交換したり、交流できる場を設けたいと考えており、プロジェクト保津川にもぜひ参加してほしいと思います。
    取材日時    平成20年9月8日(月)19時から20時20分
    取材場所    山馬珈琲匠店(亀岡市篠町馬堀)

    団体名    NPO法人 プロジェクト保津川
    代  表    坂本信雄(京都学園大学教授)
    事業内容  保津川の環境保全を通じて、循環型地域社会、そしてまちづくりに貢献する。
    URL       http://hozugawa.org/index.html