| (Ｑ) | 杉良太郎の設立から現在までの歩みについて説明していただけますか。 |
| (Ａ) |
杉良太郎は、１９９８年に森林保護に取り組むＮＧＯ「熱帯林きょうと」のメンバーによって始められ、その１年後に別団体として独立しました。帰国子女だった島田俊平さんが、日本に帰って来て、日本企業が熱帯林を伐採して、大量の熱帯材を輸入していることにショックを受けて、ＮＧＯの活動に加わったのですが、そこから日本の林業に関心を持たれました。島田さんは、京都林務事務所の方から、北区の雲ヶ畑森林組合を紹介されて、山仕事サークルを立ち上げるようになりました。
雲ヶ畑地域の山主さんたちの指導と協力をいただき、一連の作業を行っています。
運営メンバーは、京都市内の学生であり、毎年入れ替わりがあります。
その後、杉良太郎のメンバーが中心となって、森林バイオマスの普及啓発を行うために、「薪く炭く（しんくたんく）ＫＹＯＴＯ」が結成されました。現在も、「杉良太郎」と「薪く炭くＫＹＯＴＯ」は、お互いに協力して活動しています。 |
| (Ｑ) | 現在の活動状況はいかがですか。 |
| (Ａ) |
京都市森林組合雲ヶ畑支所を始めとする雲ヶ畑地域の方々のご協力を仰ぎ、主として雲ヶ畑の山々で，様々な森林作業をしています。杉良を受け入れる山主が集まって、山主会を結成し、年に２回、向う半年のスケジュールを決める打合せをしています。
山仕事の作業は、植林、下刈り、枝打ち、間伐などで、炭焼きや薪割りも行います。
雲ヶ畑の小中学生と一緒に薪割りをして、その薪を小中学校の薪ストーブに使ってもらっています。
雲ヶ畑へは、出町柳から車で３０分ですが、荷物を運ぶために車を出しますが、他のメンバーは自転車で１時間かけて行きます。８月の夏合宿などでは、森林組合の事務所２階の畳の部屋で、寝袋持参で泊まり込んでいます。
作業は、ホームページで申し込む人もおり、参加者の約１割が社会人です。
ふた月に１回ほど、ほんやら洞で勉強会を開催しており、森林組合の方等様々な方に講師に来ていただいています。３月に総会を、月１回の運営ミーティングと、月１回の森の文化祭のミーティングを開催しています。
年１回、「森の文化祭」を「薪く炭くＫＹＯＴＯ」と共催します。「森の文化祭」は、雲ヶ畑で開催しており、地域の人たちとの交流の場です。炭焼き、七輪陶芸、草木染め、自転車発電などを行っています。例年は１２月の開催であり、今年は１２月６日の予定です。また、通常は、山主さんの要望を受けて、作業のお手伝いをしているのですが、山をお借りして、自分達で何十年先までを考える「理想の森づくり」を薪く炭くKYOTO、ワシタカ工芸さんとともにしています。 |
| (Ｑ) | 団体のセールスポイントは何ですか。 |
| (Ａ) |
山仕事を楽しむという気持ちで、しんどい仕事を続けていることで、雲ヶ畑の地域の人から認めていただき、信頼関係が築けるようになりました。
ミーティングや勉強会を通じて、知己の修得、技術の向上に努めており、安全への配慮も心掛けていることです。 |
| (Ｑ) | これからの夢、ビジョンについて語ってください。 |
| (Ａ) |
今年６月に代表に就任したところですが、設立して１０年という節目であり、設立当初の熱い想いに立ち返って、今後の方向性を考えたいと思います。
先日、京都モデルフォレストの円卓会議において、これから理想とする森についてワークショップに参加させていただき、自分の考えを出すことで、まとめられるようになりました。
楽しくないと続かないので、参加者が楽しめる活動の場にしたいと考えています。 |
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| （今回の訪問を終えて） |
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地域に根ざした活動を１０年間継続してきて、雲ヶ畑地域の人たちとの信頼関係を築かれています。定例のミーティングや勉強会、年間を通じた作業、地域とともに開催するイベントなど、地域に根ざした活動を着実に進めて来た団体でした。年間の活動記録もきっちりと報告書にまとめられていましたが、これは山主さんたちや、その他お世話になった方々への１年間の感謝を込められているものでした。
ゆめっと京都の事業にも関心を示していただきました。ゆめっと京都が開催しようと考えている活動報告会などに出席されて、さらにネットワークの輪を広げてほしいと思います。 |
